14. To be or not to be:「14-3-3タンパク質 = バッファー」説
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青木一郎, 後藤由季子
キーワード
14-3-3タンパク質, Bad, Akt, JNK
細胞の生死は生存シグナルと細胞死シグナルのバランスによって決定する
「生存シグナルによって定められた閾値を細胞死シグナルが越えると細胞死が起こる」と言い換えることができる
閾値を定める緩衝装置の存在が示唆される
細胞は少量のストレスでは死なない
むしろストレスによって生じた損傷を修復しようとする
生存シグナルが亢進している際には細胞死シグナルによってアポトーシスが誘導されにくくなる
14−3−3タンパク質は数々のアポトーシス誘導因子と結合して不活性化することで細胞の生存を促進する
実際14−3−3タンパク質の機能を抑制すると細胞死シグナルに対する感受性が高まり、14−3−3タンパク質を過剰発現すると細胞死シグナルへの耐性が強くなる
最近示されたこと
14-3-3タンパク質がAktにリン酸化されたアポトーシス誘導性の分子群と結合して不活性な状態にとどめておくこと
JNKが14-33タンパク質をリン酸化するとこれらのアポトーシス誘導分子群が14−3-3タンパク質から解離して活性化する可能性
これらの実験結果から14−3−3タンパク質とAktが緩衝装置として働いているというモデルが考えられる
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このモデルによると細胞死が起こる際には以下の3つの場合あるいはこれらの組み合わせによってアポトーシス誘導因子が14−3−3タンパク質と解離して活性を獲得する
①Badなどのアポトーシス誘導因子が増加して閾値を越える
②Aktの活性が減少するなどして閾値が下がる
③JNKによるリン酸化のために活性のある14−3−3タンパク質が減少して閾値が下がる